クラウドファンディングで、上場グループが運営する「J.LENDING」があります。
上場企業のJALCO(ジャルコ)ホールディングスのグループ会社が運営するクラウドファンディングです。
検討しているけど、J.LENDINGが信用できるかどうか、疑問を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「口コミはメリットばかり強調され、重要な『運営会社に関する情報』が少ない」と感じられている方も多いと思います。
そこで、本記事では運営会社の経営者や企業状況も調べた上で、J.LENDINGの「デメリット」や「向いていない、止めたほうがいい人」、「投資する場合の注意点」を考察します。
利用を検討されている方は、是非参考にしてみてください。
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J.LENDINGの主な特徴・メリット
J.LENDINGの主な特徴・メリットです。
それぞれ解説していきます。
最低50万円なので、投資できる可能性が高い
他社のクラウドファンディングでは、1口1~10万円のものが多く、”誰でも”投資できます。
そのため、競争率が高くて、応募しても投資できないことも多いです。
定員が直ぐに埋まらないファンドもありますが、それには理由があリます。
例えば、「運営会社が怪しい・信用できない」「リスクが大きい」などのデメリットがあります。
それらに対して、J.LENDINGは、50万円以上の投資なので、”誰でも”投資できるわけではありません。
最低金額が高額ではありますが、その分、競争率が低いというメリットがあります。
運営会社も上場グループなので、会社運営にも透明性があります。
長期にわたって利回りが得られる
J.LENDINGのファンドは12~24ヶ月の長期投資が多い傾向です。
そのため、一度応募して投資できれば、その長い期間に渡って、利回りを得ることができます。
3ヶ月や6ヶ月の短期のファンドでは、期限が過ぎると、別のファンドに応募する必要があります。
運用が終わって現金が返却されるまでの期間と、次に応募して運用が始まるまでの期間は、利回りが得られない期間です。
また、応募しても、定員が埋まって投資できない可能性もあります。
J.LENDINGのファンドは12~24ヶ月の長期投資なので、その長い期間において利回りが得られます。。
上場グループが運営、リスクを抑えた投資ができる
クラウドファンディングは、株式やFX投資などの価格が大きく上下しやすい投資に比べて、安定しています。
J.LENDINGは、対象が不動産ではなく、貸付事業(融資)になります。
運営会社は、クラウドファンディングだけでなく、不動産事業と貸金事業で培ったノウハウがあります。
投資対象は、原則、過去に融資実績がある対象としています。
そして、厳密な審査により、信用力の高い企業等を厳選することで、リスクを軽減しています。
さらに、運営会社は東証に上場している企業グループのため、通常の企業に比べて透明性があり、外部の目が入る会社運営がされています。
社長も顔出ししており、Youtubeチャンネルも開設しています。
経歴も公開されているため、運営会社の信用性という面でもリスクが抑えられます。
業界トップクラスの老舗のクラウドファンディング
J.LENDINGでは、2015年11月にサービスを開始したクラウドファンディングです。
他の多くのクラウドファンディングに比べても、長く続いているサービスといえます。
これまで70件以上のファンドの運用実績があります。
J.LENDINGの運営会社は信用できる?
クラウドファンディングを利用する上で、サービス運営会社の信頼性は非常に重要です。
ここからは、J.LENDINGを運営するクリアル株式会社の特徴や経歴を確認します。
運営会社「ジャルコ社」とは?
J.LENDINGは、ジャルコ株式会社という企業が運営しています。
ジャルコは、JALCO(ジャルコ)ホールディングス株式会社のグループ企業です。
JALCOホールディングスは、ジャルコ社を中核とする持株会社(ホールディングス)であり、クラウドファンディングの他にも、不動産売買や賃貸、M&Aコンサルティング、ファイナンス、中古遊技機や設備機器販売を手掛けています。
元々は電子機器用部品の会社
なお、2011年より前は、ジャルコ社は電子機器用部品の事業を営む企業でした。
倒産危機に陥り、現在の社長「田辺順一氏」によって、電子機器用部品事業からアミューズメント事業にシフトし、現在では黒字経営になりました。
- 2011年
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ジャルコ社が単独株式移転の方法によりJALCO(ジャルコ)ホールディングスを設立
JASDAQ市場に上場 - 2012年
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株式会社ジャルコアミューズメントサービスの株式取得
電子機器用部品事業におけるAV家電市場の製造・販売部門を東北タツミ株式会社に譲渡
(翌年に電子機器用部品事業からアミューズメント事業にシフトする旨の方針を開示) - 2020年
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株式会社SUNTACの株式取得
- 2022年
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東証市場再編に伴いスタンダード市場に移行
クラウドファンディング以外の中核事業がある
クラウドファンディングを手掛ける多くの企業は、クラウドファンディングが中心のことが多いです。
クラウドファンディングの状況は、会社の運営に直結してしまいます。
一方のジャルコ社は、他にも中核事業があるため、クラウドファンディングの収益性が悪化しても、会社運営が立ち行かなくなることはありません。
ジャルコ社の財務情報はある?
ジャルコ社の収支・財務情報については、JALCO(ジャルコ)ホールディングス株式会社として詳しく公開されており、誰でも会社のウェブページから確認できます。
黒字・赤字?
JALCO(ジャルコ)ホールディングスの売上は好調であり、2021年は約27億円でしたが、2022年は28億、2023年には50億円になり、売上が拡大しています。
さらに、黒字経営を続けており、2023年には約18億円の純利益を上げており、純利益率は37%と好業績です。
純利益とは、人件費などの諸費用も除いた後の利益です。
注意すべき収支情報としては、営業キャッシュフローがあります。
営業キャッシュフローは、本業からの現金の収支が確認できます。
赤字が続くと、資金繰りのために借金などが必要になります。
ジャルコ社の直近の営業キャッシュ・フローは黒字であり、2022年は-24億円でしたが、2023年は約35億円もの営業キャッシュフローを計上しています。
- 2023年3月期の財務状況
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売上 約50億円 純利益 約18億円 営業キャッシュフロー 約35億円
借金はある?
JALCO(ジャルコ)ホールディングスの総資産は約585億円もあります。
うち、借入金は計370億円もあります。
ただし、現金が約10億円、相手に貸している貸付金が約63億円、販売用不動産が計104億円あります。
更に建物が約80億円、土地に約290億円もの資産を持っており、多くの資産があることが確認できます。
ただし、建物や不動産において、大きな市場変化が起こると、資産価値が落ちる可能性があるので、注意が必要です。
- 2023年9月の財務状況
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総資産 約585億円 現金 約10億円 短期借入金 約19億円 1年内返済予定の長期借入金 約25億円 長期借入金 約324億円
ジャルコ社の経営者はどんな人?
ジャルコ社の社長は、田辺順一氏です。
田辺順一氏は1965年三重県伊勢市生まれです。
銀行員である父親の仕事の関係で、愛知県や三重県を転々として過ごしたそうです。
また、大学時代は麻雀とパチンコに明け暮れたとのこと。
野村證券等に務めた後、ジャルコ社の社長となり、企業を拡大させています。
ジャルコ社は、田辺順一氏が創業した会社ではありませんが、田辺順一氏が大きく事業転換させた会社であり、実質的には創業者といえるでしょう。
- 1990年
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一橋大学商学部卒業
野村證券に入社 - 2002年
-
野村證券 企業金融二部 課長
- 2004年
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アイ・キャピタル証券会社に入社
- 2006年
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MTラボに入社
- 2008年
-
カタリストを設立し、代表取締役に就任(現任)
- 2009年
-
ジャルコの取締役に就任する
- 2011年
-
ジャルコの代表取締役社長に就任
株式移転によりJALCOホールディングスを設立して同社の代表取締役社長に就任
田辺順一氏だけでなく、他の役員も会社ページ上で経歴が紹介されています。
また、田辺順一氏はインタビュー記事や動画を通して、顔出しして、様々な構想や想いを配信しています。
Youtubeなどでも、田辺順一氏の構想や想いを確認できます。
2023年には「生成AIを活用したYoutubeチャンネル」を開設しています。
経営理念や事業内容、株式投資のイロハ、最新のアミューズメント業界の動き等が解説されています。
「観ると元気になる」と言っておられますので、是非見てください。
https://www.jalco.co.jp/company03.html
JALCO金融リテラシー向上チャンネル
https://www.youtube.com/@Jalco662。
J.LENDINGを止めたほうがいい人は?
J.LENDINGは他の不動産クラウドファンディングに比べても、上場グループが運営しているという側面では、リスクを抑えられる可能性があります。
一方で、J.LENDINGの投資が向いていないケースもあります。
長期間投資したくない人
J.LENDINGのファンドの運用期間は、8ヵ月から24カ月が多いです。
長期投資のメリットとしては、一度応募して投資することができれば、その長い期間に渡って、利回りを得ることができます。
その間、通常は、利回りが得られない時期はありません。
一方で、その間、投資した現金を動かすことはできません。
その期間に、他に投資をしたい場合や、現金が必要になった場合にも、途中で現金が回収できません。
長期間投資をしたくない場合には、別会社が運営するクラウドファンディングを選ぶ方法があります。
リスクをより軽減したい人
運営会社は上場グループ企業であるため、上場していない企業が運営するクラウドファンディングに比べると、運営会社には透明性があります。
もしも元本毀損した場合には、会社の評判にも影響するでしょう。
そのため、信頼性という観点では、リスクは少ないといえます。
一方で、投資である以上、元本保証はなく、配当は保証はされていません。
(出資持分法により、出資金元本の保証は禁止されています。)
また、他の不動産クラウドファンディングでは、もしも損失が発生した場合には、一定割合まで運営会社が負担する仕組みがありますが、本クラウドファンディングは不動産が投資対象ではなく、その仕組は無いと考えられます。
よりリスクを軽減したい方にとっては、他の安心できるクラウドファンディングと併用して利用する方法もあります。
以下の記事では、リスク軽減されている不動産クラウドファンディングを紹介しています。
運営会社のメッセージや、投資内容に疑問を感じる人
クラウドファンディングは、運営会社にお金を預け、運用してもらうスタイルの投資です。
お金を預ける相手については、自分が納得して投資する必要があります。
運営会社が発信しているメッセージや、社長の人柄ついて、共感できない場合には、そのクラウドファンディングを利用しない方が良い場合があります。
代表である田辺順一氏は、Youtubeでも情報発信されていますので、投資する前に視聴しておいてもよいかもしれません。
https://www.youtube.com/@Jalco662。
直ぐに投資したい人
J.LENDINGのファンドは、1ヶ月に数件募集されることもあれば、募集されない月もあります。
また、「事前募集」において定員の大半が埋まることもあるため、投資をするには、直ぐに応募できるように備えておく必要があります。
それでも、定員が埋まり投資できない可能性はありますので、直ぐに投資したい方にとっては、別のクラウドファンディングにも登録しておくことが考えられます。
ウェブページには「現時点では投資ファンド数が少ない状態ですが、今後は投資ファンドの募集件数を増大させる予定です。」と記載されており、今後はファンド数が増加する可能性があります。
以下の記事では、ファンド件数が多いクラウドファンディングを紹介しています。
もっと利回りが高い投資をしたい人
J.LENDINGでは、分配率が約4~8%のファンドが大半です。
直近のファンドでは、利回りが5.5%以上が多く、他クラウドファンディングに比べると、やや高い水準です。
一方で、さらに高い利回りを得たいという方もいらっしゃると思います。
そのような場合は、別の運営会社のクラウドファンディングへの投資を組み合わせたり、株式投資などの別のリスクの高い投資が考えられます。
以下の記事では、利回りが高いクラウドファンディングを紹介しています。
J.LENDINGの投資で注意すべきこと
「向いていいない人」で述べたデメリットを踏まえ、投資する際に注意すべきことをまとめました。
ファンドの遅延
ノウハウ豊かな企業がファンド運営していますので、いずれかのファンドの遅延が起きた場合には、何らかの市場変化が生じている可能性があります。
また、運営会社自体に何らかの問題が生じている可能性があります。
そのため、投資していない他案件においても、遅延が生じていないかをチェックすることが大切です。
不動産市場の状況
日本の不動産の市況が悪化してしまうと、将来的に、元本毀損が起こる可能性があります。
対象は、貸付事業(融資)なので、不動産とは関係ないように思えますが、一部のファンドでは、貸付先が不動産事業を営む法人等の場合があります。
さらに、多くのファンドでは、担保が不動産になることが多いため、不動産の市況に関係しています。
※不動産クラウドファンディングとは異なりますので、貸付先によっては、不動産とは関係無い場合や、一般的な不動産の市況とは異なる場合があります。
また、パチンコホールへ貸し出ししているファンドもありますので、その場合には、パチンコ業界の市況についても気に留めておく必要があります。
貸付先の事業内容に応じた市況について注視することが望ましいでしょう。
市況を確認する方法として、日本経済新聞などのニュースや、国交省の情報から市況を確認する手段があります。
運営会社の状況
運営会社であるJ.LENDING社は現状は、比較的信用できる会社といえます。
一方で、今後も信用できるかどうか、会社の動向を確認することが大事です。
動向を確認する一つの方法として、社長などの経営者の交代を確認する方法があります。
社長が交代したり、役員が退任していると、社内で問題が生じている可能性があります。
ジャルコ社はホールディングスとして上場しているため、代表や役員が交代した場合には原則公表されます。
交代したからといって問題が起きていない場合もありますが、変化の指標の一つとして確認することが大切です。
(通常、交代した場合には、その経緯も説明されることが多いです。)
財務状況の確認
直近のジャルコ社の財務状況には問題ないように考えられますが、今後、財務状況に変化が生じる可能性があります。
ジャルコ社の財務状況は、3ヶ月毎に公表されますので、どのような状況かを定期的に確認できます。
会社ページを確認しなくても、上場している限りは、株式ニュースにも取り上げられますので、それらのニュースを見るのも一つの方法です。
J.LENDINGの投資前に知っておくべき情報
クラウドファンディング投資前に知っておくべき情報について、J.LENDING固有のものから、クラウドファンディング全般のものまでをまとめました。
登録までにどれぐらいかかる?
1~2週間程かかると想定しておくことが望ましいでしょう。
登録には、はがき郵送による本人確認があります。
投資できるまでに日数がかかりますので、投資には、登録しておくことが大切です。
元本は保証されている?
投資であるため、出資金の元本や分配金の利回りは保証されていません。
出資持分法により、出資金元本の保証は禁止されています。
いずれのファンドも、事業の収益性や企業の業績・財務状況などについて、厳密な審査を行うなど、様々なリスク軽減の対策は講じられています。
ただし、貸付先の信用状況の悪化や運営会社の信用状況が悪化した場合など、出資金が欠損するなどのリスクがあります。
利回りについても、予定外の事象が生じた場合、分配金の利回りが予定よりも下回る可能性があります。
途中解約はできる?
途中解約はできないとされています。
第三者へ出資持分の譲渡はできる?
権利又は義務を譲渡や担保にすることはできないとされています。
確定申告は必要?
確定申告は原則必要ですが、本業以外から得た収入が多くなければ、確定申告は原則不要になります。
クラウドファンディングで得た利益(分配金)は「雑所得」になります。
雑所得とは、給与所得・退職所得以外であり、分配金のほか、ネットショップの収入やFX取引の収入などが該当します。
「雑所得」の合計が20万円を超えるときには、確定申告が必要になります。
「雑所得」の合計が20万円以下のときは、確定申告は原則不要になります。
取引状況は毎月末に作成される「取引報告書兼残高報告書」で確認することができます。
投資は副業?
副業は明確な定義はありませんが、総務省は「副業」について「主な仕事以外に就平成29年就業構造基本調査 用語の解説いている仕事」と定義しています。
クラウドファンディングは資産形成であり、仕事ではないため、通常、副業には当たりません。
投資していると会社にバレる?
副業でもなく、会社に申告は不要ですので、会社にバレることはありません。
バレる可能性としては、分配金を得て確定申告をした後、収入に応じて住民税が発生するため、住民税が高額になると、「何らかの収入を得ている」ことが会社の経理に認識される可能性があります。
確定申告の際に住民税の徴収方法を選択しますが、「特別徴収」を選ぶと、会社に住民税額の通知が入ります。
収入があることを会社に知られたくない場合には、確定申告時の際には、住民税の徴収方法で「普通徴収」を選択する必要があります
J.LENDINGの登録方法
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登録方法は、メールアドレス等を入力し、本人確認情報を入力することで、手続きを進めることができます。
その後、登録情報に問題がなければ、審査完了後、1~5営業日後に投資を開始できます。
詳細は、J.LENDINGからご確認ください。
参考資料
- JALCO ジャルコ
https://www.jalco.co.jp - JALCOホールディングス株式会社
https://www.jalco-hd.com - J.LENDING
https://www.sociallending.jalco.co.jp/trade/home/toppage.do - 日刊ゲンダイ 「JALCO HD 田辺順一社長」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/287156 - The GOLD ONLINE 「ジャルコが仕掛ける「J.LENDING」の安全性と成長性」
https://gentosha-go.com/ud/authors/5fe1b27c7765615d5b010000