黒字経営を続けている企業が運営するクラウドファンディングを紹介します。
黒字経営は、クラウドファンディングが適切に運営される上で重要です。
赤字が続いている場合には、やがて運営企業自体が破綻してしまうリスクがあります。
不動産クラウドファンディングや融資型クラウドファンディングの場合には、投資したファンドの状況に関わらず、元本や配当が返ってこないリスクがあります。
株式投資型クラウドファンディングでは、運営元が無くなっても、投資した株式は残る場合があります。
ただし、運営元がなくなることで投資した企業の状況が確認しづらくなったり、運営や募集時に何らかの問題が生じた場合に、問題を追求することが難しくなります。
そのようなリスクを軽減するには、黒字経営を続けている企業のクラウドファンディングを選ぶ方法があります。
それに、「黒字経営を続けていることが確認できる」ということは、その企業が積極的に内部情報を発信しているという意味でもありますので、情報発信の観点からも信頼度があります。
ここでは、最近の財務状況において、複数年の黒字が確認できる企業が運営する、クラウドファンディングを紹介します。
1年だけの財務状況が確認できるものは、黒字であっても、黒字が続いているかが不明確であるため、除外しています。
(以下、PRを含みます)
SOLS(ソルス) – 愛知発の不動産クラウドファンディング
SOLS(ソルス)の特徴
「SOLS(ソルス)」は、5万円から投資できる不動産クラウドファンディングです。
不二興産株式会社という企業が運営しています。
不二興産は、20年上にわたり、名古屋・東京・大阪拠点を中心に、全国で収益不動産の再生や販売などの不動産事業を展開しています。
不二興産は、現状、「官報」に決算情報を載せているため、利益や資産状況が確認できます。
「官報」とは国の広報誌であり、企業が株主や取引先等に対して会社状況を伝えたり、信用性を高めるため、決算情報を載せています。
黒字経営の内容
不二興産は黒字経営を続けています。
純利益は、2021年には約2100万円でしたが、2022年は約3億円、2023年には約2億円です。
資産面でも利益が続いていることが確認できます。
2023年には利益剰余金(利益等から会社に積み立てているお金)は約11億円あります。
不二興産の経歴や経営者の情報についても、詳しく掲載しています。
Pocket Funding(ポケットファンディング) – 沖縄発の不動産クラウドファンディング
Pocket Funding(ポケットファンディング)の特徴
「Pocket Funding(ポケットファンディング)」は、1万円から投資できる不動産クラウドファンディングです。
沖縄の住宅や、軍用地を担保にしたファンドや地方創生などに少額投資できることが特徴です。
ソーシャルバンクZAIZEN株式会社という企業が運営しています。
ソーシャルバンクZAIZENは、「財全GROUP」のグループ会社です。
財全GROUPは、沖縄に本社があり、不動産、金融、環境・エコなどの事業を展開している企業グループです。
財全GROUPは、現状、「官報」に決算情報を載せているため、利益や資産状況が確認できます。
「官報」とは国の広報誌であり、企業が株主や取引先等に対して会社状況を伝えたり、信用性を高めるため、決算情報を載せています。
黒字経営の内容
財全GROUPは黒字経営を続けています。
純利益は、2022年度は約900万円です。
利益剰余金(利益等から会社に積み立てているお金)は約4億円あります。
資産面でも利益が続いていることが確認できます。
ソーシャルバンクZAIZEN自体は、2020年度は赤字でしたが、2022年度は約2400万円の黒字が確認できます。
なお、注意点としては、財全GROUPと各グループ会社(ソーシャルバンクZAIZENを含む)との資本関係の構成が不明であるため、財全GROUPの数字に各グループ会社の数字が含まれているかどうかは不明です。
キーパーソンと考えられる、財全GROUPの社長についても、詳しく掲載しています。
ゴールドクラウド- 介護応援の不動産クラウドファンディング
ゴールドクラウドの特徴
「ゴールドクラウド」は、1万円から投資できる不動産クラウドファンディングです。
「介護応援」や「物語のある住まいづくり」で社会貢献などをテーマにした投資ができることが特徴です。
ゴールドトラスト株式会社という企業が運営しています。
ゴールドトラストでは、資産形成のためのセミナー開催や、不動産投資のコンサルティング事業を展開しています。
ゴールドトラストは、スマイシアグループのグループ会社です。
スマイシアグループ(スマイシアホールディングス)では、愛知県に本社があり、グループ会社を通じて注文住宅の設計・施工・販売、資産形成コンサルティング、介護施設の運営を行っています。
ゴールドトラストは、現状、「官報」に決算情報を載せているため、利益や資産状況が確認できます。
「官報」とは国の広報誌であり、企業が株主や取引先等に対して会社状況を伝えたり、信用性を高めるため、決算情報を載せています。
黒字経営の内容
ゴールドトラストは黒字経営を続けています。
純利益は、2022年度は約2億円です。
利益剰余金(利益等から会社に積み立てているお金)は約8億円もあります。
利益剰余金(資産)を見ても、利益が続いていることが確認できます。
ゴールドクラウドのファンド運用では、ゴールドトラストだけでなく、グループ会社も関係しています。
介護施設の運営を行う、グループ会社の「ゴールドエイジ」も黒字経営です。
(2021年度の純利益は約3億円)
ゴールドトラストの社長だけでなく、キーパーソンと考えられるスマイシアグループの社長についても、詳しく掲載しています。
ビギナーズクラウド- 福岡発の不動産クラウドファンディング
ビギナーズクラウドの特徴
「ビギナーズクラウド」は、1万円から投資できる不動産クラウドファンディングです。
成長都市である「福岡市」の不動産に投資できることが特徴です。
「福岡市」は、日経新聞でも「ヒトとカネを引き寄せる福岡」として取り上げられています。
ビギナーズクラウドは、福岡に本社を置く、Good不動産によって運営されています。
福岡市内を中心に、全国で約2万戸の賃貸物件を管理する不動産管理会社です。
Good不動産は、現状、「官報」に決算情報を載せているため、利益や資産状況が確認できます。
「官報」とは国の広報誌であり、企業が株主や取引先等に対して会社状況を伝えたり、信用性を高めるため、決算情報を載せています。
黒字経営の内容
Good不動産は黒字経営を続けています。
純利益は、2022年度は約1.9億円、2023年度は約1.4億円です。
利益剰余金(利益等から会社に積み立てているお金)は約6.8億円もあります。
利益剰余金(資産)を見ても、利益が続いていることが確認できます。
Good不動産の前身となった企業や、社長についても、詳しく掲載しています。
大家どっとこむ – 関東が多い不動産クラウドファンディング
大家どっとこむの特徴
大家どっとこむは、株式会社グローベルスが運営する、1万円から投資できる不動産クラウドファンディングです。
グローベルスは、戸建住宅・分譲マンションや商業施設等の開発を手掛ける総合不動産デベロッパーです。
グローベルスは、上場企業「Jトラスト」のグループ会社です。
Jトラストは、信用保証や債権回収、証券業、クレジットカード事業、銀行業、不動産業を展開している総合金融グループです。
Jトラストは、上場企業なので、利益や資産状況が詳しく開示されています。
黒字経営の内容
Jトラストは黒字経営を続けています。
純利益は、2021年度は約11億円でしたが、2022年度は約126億円です。
Jトラストは総合金融グループなので、クラウドファンディングに関係する他の上場企業と比較しても、トップレベルの利益の大きさを誇ります。
資産面を見ても、現金は約992億円、借金は約536億円であり、借金よりも現金の方が多い状況です。
なお、大家どっとこむを運営するグローベルスは、2023年からJトラストのグループになりました。
Jトラストは、グループ会社の入れ替わりが比較的多いので、今後もグループ企業かどうかは注意が必要です。
グローベルスが2023年以前にも、Jトラウトのグループであったこと等、会社の経歴を詳しく掲載しています。
J.LENDING – 融資型のクラウドファンディング
J.LENDINGの特徴
「J.LENDING」は、上場企業「JALCO(ジャルコ)ホールディングス」のグループ会社「ジャルコ」が運営する最低金額50万円からの融資型クラウドファンディングです。
JALCOホールディングスは、ジャルコ社を中核とする持株会社(ホールディングス)です。
不動産売買や賃貸、M&Aコンサルティング、ファイナンス、中古遊技機や設備機器販売を手掛けています。
JALCOホールディングスは上場会社であるため、会社のウェブサイト等から詳細な財務状況を確認することができます。
黒字経営の内容
JALCOホールディングスは黒字経営を続けています。
2023年度の純利益は約18億円です。
さらに、JALCOホールディングスは東証に上場しているので、財務状況が四半期毎に公開されています。
クラウドファンディングの投資家にとっても、会社の状況が確認できるというのは、安心材料に繋がります。
JALCOホールディングスの経歴や経営者についても詳しく掲載しています。
CREAL – 関東が多い不動産クラウドファンディング
CREALの特徴
「CREAL」は、1万円から始められ、上場企業「クリアル株式会社」が運営する不動産クラウドファンディングです。
クリアル株式会社は、クラウドファンディング事業がメインの会社です。
多くの不動産クラウドファンディング会社と異なり、クリアル株式会社にはクラウドファンディング以外の事業を営む親会社もありません。
黒字の内容
クラウドファンディングをメインの事業とする会社では、赤字が続いていることも多いのですが、クリエル株式会社は黒字経営を続けています。
2023年度の純利益は3億円あります。
上手く事業運営されているといえるでしょう。
上場企業であるため、借入金や現金などの詳しい会社の資産が確認できます。
会社の資産は、2023年度には、借入金が計30億円ありますが、現金が約60億円あるので、現金の方が借入金よりも多い状況です。
さらに、クリアル株式会社は東証に上場しているので、財務状況が四半期毎に公開されています。
クラウドファンディングの投資家にとっても、会社の状況が確認できるというのは、安心材料に繋がります。
CREALの経歴や経営者についても掲載しています。
まとめ
黒字経営を続けている企業が運営するクラウドファンディングをいくつか紹介しました。
黒字経営を続けている運営会社の特徴としては、主軸となる他の事業を展開しているケースが多いことが確認できました。
意外かもしれませんが、クラウドファンディング事業を運営している企業では、赤字の企業が少なくありません。
経営を軌道に乗せるには、ファンドの数や金額などの規模や、運営のノウハウ・仕組みが必要とされると考えられます。
注意する点としては、今は黒字経営を続けていても、経済や不動産市場の状況によって、今後は赤字になる可能性があることです。
そのため、定期的に市場の動向や、運営会社の財務状況をチェックすることが重要です。